旅行・地域

2011年5月13日 (金)

香川紀行3

丁字路に突き当たると、
そこは土産物屋街になっていた。

木刀、菅笠はもちろんのこと、
どこの観光地にもあるが何の記念にもなりそうもない、
変なキーホルダーやストラップ。

そんな浮かれグッズに興味はないのだが、
観光地にたまに置いてある「ご当地ピンズ」にめっぽう弱い。

琴平の土産物屋街に、四国版の「ご当地ピンズ」があるという情報を事前に調べておいたので、いそいそと硬貨を投入。

結果、「よさこい祭り」、「阿波踊り」、「高知城」という
香川とまったく関係のない旅の思い出を手に入れた。

本当は「さぬきうどん」か「金毘羅船」を狙っていたのだが、
まあ、仕方あるまい。

***
さて、そんなこんなで小腹もすいてきたので
手近なうどん屋に入る。

見よう見真似、慣れない感じで釜玉を注文する。

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普段、カトキチの冷凍うどんくらいしか食べないので、
うどんがやけにツヤツヤしているように見える。

まるで大理石のような白い輝きである、というのは言い過ぎだが、
生卵のヴェールを纏って、艶っぽいことこの上ない。

一緒に渡されたうどん専用の醤油をチョロっと掛け
全体をざっくり混ぜ合わせると、
白いうどんがみるみる黄色く染まってシズル感を増していく。

食べてみると、うどんが美味しいことに驚く。
うどんそのものに、何だか力がある感じ。

うどんそのものが強いから、
卵と醤油をかけただけ、という戦後のご馳走みたいな
シンプルな食べ方でも美味しく食べられるのではないか、と思った。

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2011年5月10日 (火)

香川紀行2

駅前に出ると、向こうの方にこんもりとした山が見える。
きっと、あっちの方に金毘羅さんがあるのだろう。

とりあえず、駅から真っ直ぐ伸びる道を進んでみると
ほどなく、右手に何やら巨大な建造物が見えてくる。
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高さ日本一と言われる、高燈籠である。

堅牢な下部の石垣と、ややアンバランスな上部の楼閣。
歴史を感じさせる佇まいであり、唐突に現れるので存在感も大きい。

そんな歴史のロマンを感じながらも、
「でも、どっかドラクエっぽいなー」と思う。

暗くぽっかりと口をあけた入り口から内部に入る際の、
「ザッザッザッ」という効果音が幻聴として聴こえてくる。

きっと、頂上に住み着いた魔物を倒すイベントがあるはずである。

・・・未だに、何かにつけてドラクエになぞらえてしまう自分がいる。

もう、ゲームなんてやらなくなって数年経つのだが、
三つ子の魂百までとはよく言ったものである。

しかし、この高燈籠、内部に入ることが出来るなら入ってみたいな。

***
その後、映画セットのはりぼてのような商店を見つけて歓喜する。

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多分、以前は後ろのサラ地の部分に建物があって、
やむを得ずこうした形になったのだと思われるが、
強風が吹きつけたら、パタッと倒れてしまいそうである。

二階部分がどうなっているのか気になる。
ここも、内部に入ることが出来るなら入ってみたい。

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2011年5月 9日 (月)

香川紀行1

ゴールデンウィークに香川に行ってきた。
噂に名高い釜玉とやらを堪能し、金毘羅参りをしようという魂胆である。

金毘羅参りをチョイスする辺り、
三十代半ばとしてはかなりの渋さを醸しだしているが、
気になって今調べてみたところ、
2009年のゴールデンウィークには
豊川稲荷の春季大祭に行っていた。

抑圧された何かが、俺をゴールデンウィークに
神社仏閣へと向かわせるのだろうか。

***
金毘羅さんのある琴平へは、名古屋から新幹線で岡山まで行き、
そこから特急に乗り換え、瀬戸内海を越えて香川へ。

部屋に積んだままになっていた文庫本を旅のお供に、
約3時間で到着。

駅員による手動改札を抜けて外に出ると、
駅前のロータリーに配置された、これ見よがしな狛犬と灯篭、そして噴水。

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地方都市の駅前かくあるべし、というテンプレートな光景に
何だか嬉しくなる。

こういうのを見ると、
「ああ、旅行に来たんだな」という気分になる。

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2009年12月31日 (木)

そうだ、京都行った。

年末に京都に行った。

まずは、宇治の平等院鳳凰堂。

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水面にシンメトリー。

何だか、京都にまんまと乗せられてこんな写真を撮ってしまって悔しい。

歴史の教科書なんかで、貴族の庭園の池に舟を浮かべたりしている絵が掲載されていたりするが、こういう場所にこそスワンボートとか浮かべるべきだと思う。

その暁には、「平等院でスワンボートに乗ったカップルは別れる」というデマを流したい。

***
続いて、伏見稲荷。

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「献灯」とあるので、多分灯篭なのだと思うが、
とても面白い形をしていて興味深い。

多くの家族連れが、穴の中を通そうと小石を拾っては投げていた。

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まあ、そうやりたくなる気持ちも分からんでもない。

カンガルーの名前の由来とか、豚の形の貯金箱とか、
文化が間違って伝わるというのは、こういうことなのだろうかと思う。

***
伏見稲荷といえば、スズメの串焼きである。
以前から、一度食べてみたかったのだ。寒スズメ。

頭から、骨ごとバリバリと食べられる。
鶏の肝みたいな感じで香ばしい。

やはり多少は臭みがあるのか、
甘辛いタレと山椒で食べやすく味付けされている。

ややグロい見た目といい、珍味の部類に入ると思う。

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2009年8月31日 (月)

屋久島紀行10

4日目、レンタカーを借りて島1周のドライブに出発。

途中、島の南側に海に面した温泉があるというので、
そこでひとっ風呂浴びる計画である。

まずは温泉目指して、宮之浦から時計回りに外周道路をひた走る。

レンタカーにナビが付いていなかったので、
バス停の名前と地図を見比べて走っていたのだが、
目標のバス停をあっさり見落とし、Uターン。

外周道路から分かれた、不安になるほど細い小道で海岸まで下りると
そこに目的の湯泊温泉があった。

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入浴料は100円。
直径2メートルほどの湯船の真ん中を
申し訳程度の衝立で仕切った、男女混浴の温泉。

温度はぬるめ。
いつまででも浸かっていられるいい湯加減。

海風が心地よく、流れていく雲を眺めつつ温泉を楽しむ。

***
温泉で汗を洗い流したら、ドライブ再開。

島の西側は西部林道という坂やカーブの続く細い道路で、
対向車とすれ違うのもひと苦労。

さらに、猿や鹿が道路の真ん中でくつろいでいたりする。

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向こうも慣れたもので、車が接近しても逃げない。

最初のうちは、止まって写真を撮ったりしていたが、
何度も行く手を阻まれるので、そのうち鬱陶しくなってくる。

まあ、日光のようにエサ目当てに群がってこないだけマシか。

鹿に関して言えば、宮之浦あたりの住宅地にも平気で出没するので
この時点で既に野良猫レベルの認識。

もはや写真を撮る気すら起きなくなっていた。

***
西部林道を抜け、島の北西部に来ると
左手に海が見えるようになる。

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これがまた、信じられないくらいに綺麗で鮮やか。
海水が「ブルーレット置くだけ」みたいに青い。

手放しに誉めるのが悔しくて、
つい捻くれた表現を使ってしまう。

ただ、勝ち負けで言ったら負けである。

認めねばなるまい。
ついに、大自然に負けた。

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2009年8月30日 (日)

屋久島紀行9

【白谷雲水峡:後編】

鬱蒼と続く、苔むした森。

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昨日、縄文杉でお腹いっぱいになった大自然が
いまだ消化不良で残っているのに、
まだまだとばかりにモリモリ攻め立ててくるネイチャー。

大自然の満漢全席か。
全品、同じ味付けなのがキツイが。

コース自体は、起伏もそれほどではなく、
縄文杉登山に比べればはるかに初心者向けである。

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途中、沢を渡ったり、休憩所で牡鹿と間近に遭遇したりと
それなりにイベントはあるが、
コース同様、盛り上がりも起伏に欠ける印象。

ただ、頂上近くの太鼓岩からの眺望はなかなか良かった。

鬱蒼とした木々の隙間から太陽の光が覗いたかと思うと、
視界がさぁっと開け、
突き出した岩の上から眺める大パノラマ。

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つくづく、晴れて良かったと思う。

こんな吹き晒しの素岩で雨に降られたら、
間違いなく足を滑らせて転落する自信がある。

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2009年8月24日 (月)

屋久島紀行8

【白谷雲水峡:前編】

翌朝、眠りが深かったせいか心地よい目覚め。

3日目は、白谷雲水峡に行こうと決めていた。

何でも映画『もののけ姫』のモデルにもなったという
苔むした森が見所なのだという。

まあ、『もののけ姫』を見ていないので、「これがモデルだ」と言われたところで特別これといった感慨もないのだが。

***
白谷雲水峡まではバスが出ており、
ぐねぐねとした山道をグングン登っていく。

エンジンの唸りと共に、みるみる上がっていく標高。

ガイドブックに「ファミリーでも歩けるコース」などと書いてあったので、軽いお散歩コース程度だと見くびっていたのだが、到着してみればそれなりのトレッキングコースである。

あれだ。
田舎の「すぐそこ」ってのが意外と遠いのに似ている。

予想外のトレッキング2連チャンに軽く眩暈を覚えつつ、
行程を確認しようと入り口の看板を見ると
「もののけ姫の森」という文字が白く塗り潰されている。

聞くところによると、ジブリの許可無く
勝手に「もののけ姫の森」を呼称していたため、
その名称が使えなくなってしまったのだという。

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そういうお粗末な話、大好き。

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2009年8月16日 (日)

屋久島紀行7

【縄文杉登山:下山編】

結果はどうあれ、目的は果たした。

縄文杉を見て終わったつもりになっていたが
登った山は下りなければならない。

山頂は、終着点ではなく折返し地点なのだ。
証券の格言で言うところの「往って来い」である。

来た道を、引き返す。

目的を果たしてしまった今、
モチベーションの全く上がらぬ帰り道。

往路の長さを思うと、気が遠くなる。

折角、トロッコ軌道があるんだから、
トロッコに乗っけて下まで運んでくれないものか。

キツイ登りで蓄えた位置エネルギーが勿体無くて仕方ない。
内心で無駄にアカデミックな愚痴をこぼす。

***
山道の下りは足を挫きやすいため、
往路よりもスローペースでゆっくりと下る。

途中、沢に下りての休憩を挟んだりしつつ、
結局、復路は7時間かかった。

朝5時に出発して、
帰ってきたのは午後6時。

旅館に帰る車に乗り込んだ刹那、
睡魔と疲労が怒涛のように押し寄せ、
俺は抗う術も抗う気力もなく押し流されて
泥のように眠りに落ちた。

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2009年8月15日 (土)

屋久島紀行6

【縄文杉登山:急】

まるで念仏のように「元を取らねば。元を取らねば。」と
自分に言い聞かせ、一歩一歩山道を登っていく。

縄文杉までは、あと一息だという。
登山道を少し外れ、開けた場所で昼食を摂る。

昼食は、旅館で用意してもらった仕出しの弁当。

登山用だからか、全体的に味付けが塩辛く、
冷めてボソボソしていて美味しくない。

エコガイドさんがお湯を沸かして作ってくれた、
インスタントの味噌汁が何だか異常に美味しく感じた。

***
美味しいといえば、水が美味しかった。

登山道の脇に何箇所か、湧き水が汲める給水スポットがあり、
そこでペットボトルに水を補給して飲んだ。

キラキラと透き通り、冷たくサラサラしていて、
するすると喉を流れ落ちて潤していく。

美味しい上に、無料だ。
何て素晴らしいんだろう、と思った。

極限状態で炙り出される、俺の金銭への執着。

***
登山開始から、かれこれ6時間は経過しただろうか。

前方が何やら騒がしい。
人だかりが出来ているようだ。

山道の先に、木で組まれた櫓のような建造物に続く階段が
突然出現し、喧騒は櫓の上のデッキから聞こえてくるようであった。

いよいよ縄文杉との対面である。

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・・・見上げても見上げても、どこが先端なのか分からない。

陽射しを掌で避けつつ、ぽかーんと口を開け眺める。
これを見るためだけに、6時間も歩いたのだ。

・・・。

・・・・・・。

本当のことを言うと「そこまでして見るものでもないかな」と思った。

第一印象が「FFVのボス、エクスデスみたい」であったのもあるが、
最大の原因は、縄文杉のスケールがよく伝わってこないからだと思う。

デッキから縄文杉までは、10メートルから15メートルくらい離れており、縄文杉の周囲はきれいに伐採され、整備されている。

比較対象がないので、幹回り16.4メートルという幹の太さも感じられず、写真で見るのと大差ないという印象しか残らなかった。

誤解を恐れずに言い放つなら、
「日本三大がっかり名所」にラインナップしてもいいと思う。

***
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デッキの下にソーラーパネルがあった。

エコガイドさんに聞いたところ、
照明に使う電気を発電するために持ってきたが、
雨が多くて日照が少ないのであまり使えず、
仕方なく別の発電機を下から運んできたのだという。

そういう本末転倒な話、大好き。

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縄文杉を見ても吹き飛ばなかった疲れが、
そのエピソードを聞いた途端に一気に吹き飛んだ。

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2009年8月 2日 (日)

屋久島紀行5

【縄文杉登山:破】

屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど
雨が多い島だと聞くが、
幸いにも滞在中はずっと好天に恵まれ、
縄文杉登山の日も抜けるような晴天であった。

エコガイドさんの話によれば
縄文杉登山中に雨に降られると
その叩きつけるような雨粒の勢いは
背中が痛くなるほどであり、息もできなくなるそうだ。

レインウェアを着ていても、雨水が内側に染み込み、
全身ぐっしょりズブ濡れ。

足元の山道は流れる雨水で滝のようになり、
場合によっては登山を中止することもあるのだという。

・・・今後、間違っても登山を趣味にすることだけはないな。と思った。

***
流石に自然を売り物にするだけあって、
登山道の両脇はこれでもかという大自然である。

最初のうちは、すげーすげーと写真を撮ったりしていたが、

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そのうち大自然にも飽きた。

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***
後半の山道に突入。

行けども行けども険しい山道。
登山とは、己と向き合う「心の旅」だという。

登山中、何を考えていたかといえば、

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・・・結局、そこか。

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