旅行・地域

2009年8月31日 (月)

屋久島紀行10

4日目、レンタカーを借りて島1周のドライブに出発。

途中、島の南側に海に面した温泉があるというので、
そこでひとっ風呂浴びる計画である。

まずは温泉目指して、宮之浦から時計回りに外周道路をひた走る。

レンタカーにナビが付いていなかったので、
バス停の名前と地図を見比べて走っていたのだが、
目標のバス停をあっさり見落とし、Uターン。

外周道路から分かれた、不安になるほど細い小道で海岸まで下りると
そこに目的の湯泊温泉があった。

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入浴料は100円。
直径2メートルほどの湯船の真ん中を
申し訳程度の衝立で仕切った、男女混浴の温泉。

温度はぬるめ。
いつまででも浸かっていられるいい湯加減。

海風が心地よく、流れていく雲を眺めつつ温泉を楽しむ。

***
温泉で汗を洗い流したら、ドライブ再開。

島の西側は西部林道という坂やカーブの続く細い道路で、
対向車とすれ違うのもひと苦労。

さらに、猿や鹿が道路の真ん中でくつろいでいたりする。

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向こうも慣れたもので、車が接近しても逃げない。

最初のうちは、止まって写真を撮ったりしていたが、
何度も行く手を阻まれるので、そのうち鬱陶しくなってくる。

まあ、日光のようにエサ目当てに群がってこないだけマシか。

鹿に関して言えば、宮之浦あたりの住宅地にも平気で出没するので
この時点で既に野良猫レベルの認識。

もはや写真を撮る気すら起きなくなっていた。

***
西部林道を抜け、島の北西部に来ると
左手に海が見えるようになる。

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これがまた、信じられないくらいに綺麗で鮮やか。
海水が「ブルーレット置くだけ」みたいに青い。

手放しに誉めるのが悔しくて、
つい捻くれた表現を使ってしまう。

ただ、勝ち負けで言ったら負けである。

認めねばなるまい。
ついに、大自然に負けた。

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2009年8月30日 (日)

屋久島紀行9

【白谷雲水峡:後編】

鬱蒼と続く、苔むした森。

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昨日、縄文杉でお腹いっぱいになった大自然が
いまだ消化不良で残っているのに、
まだまだとばかりにモリモリ攻め立ててくるネイチャー。

大自然の満漢全席か。
全品、同じ味付けなのがキツイが。

コース自体は、起伏もそれほどではなく、
縄文杉登山に比べればはるかに初心者向けである。

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途中、沢を渡ったり、休憩所で牡鹿と間近に遭遇したりと
それなりにイベントはあるが、
コース同様、盛り上がりも起伏に欠ける印象。

ただ、頂上近くの太鼓岩からの眺望はなかなか良かった。

鬱蒼とした木々の隙間から太陽の光が覗いたかと思うと、
視界がさぁっと開け、
突き出した岩の上から眺める大パノラマ。

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つくづく、晴れて良かったと思う。

こんな吹き晒しの素岩で雨に降られたら、
間違いなく足を滑らせて転落する自信がある。

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2009年8月24日 (月)

屋久島紀行8

【白谷雲水峡:前編】

翌朝、眠りが深かったせいか心地よい目覚め。

3日目は、白谷雲水峡に行こうと決めていた。

何でも映画『もののけ姫』のモデルにもなったという
苔むした森が見所なのだという。

まあ、『もののけ姫』を見ていないので、「これがモデルだ」と言われたところで特別これといった感慨もないのだが。

***
白谷雲水峡まではバスが出ており、
ぐねぐねとした山道をグングン登っていく。

エンジンの唸りと共に、みるみる上がっていく標高。

ガイドブックに「ファミリーでも歩けるコース」などと書いてあったので、軽いお散歩コース程度だと見くびっていたのだが、到着してみればそれなりのトレッキングコースである。

あれだ。
田舎の「すぐそこ」ってのが意外と遠いのに似ている。

予想外のトレッキング2連チャンに軽く眩暈を覚えつつ、
行程を確認しようと入り口の看板を見ると
「もののけ姫の森」という文字が白く塗り潰されている。

聞くところによると、ジブリの許可無く
勝手に「もののけ姫の森」を呼称していたため、
その名称が使えなくなってしまったのだという。

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そういうお粗末な話、大好き。

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2009年8月16日 (日)

屋久島紀行7

【縄文杉登山:下山編】

結果はどうあれ、目的は果たした。

縄文杉を見て終わったつもりになっていたが
登った山は下りなければならない。

山頂は、終着点ではなく折返し地点なのだ。
証券の格言で言うところの「往って来い」である。

来た道を、引き返す。

目的を果たしてしまった今、
モチベーションの全く上がらぬ帰り道。

往路の長さを思うと、気が遠くなる。

折角、トロッコ軌道があるんだから、
トロッコに乗っけて下まで運んでくれないものか。

キツイ登りで蓄えた位置エネルギーが勿体無くて仕方ない。
内心で無駄にアカデミックな愚痴をこぼす。

***
山道の下りは足を挫きやすいため、
往路よりもスローペースでゆっくりと下る。

途中、沢に下りての休憩を挟んだりしつつ、
結局、復路は7時間かかった。

朝5時に出発して、
帰ってきたのは午後6時。

旅館に帰る車に乗り込んだ刹那、
睡魔と疲労が怒涛のように押し寄せ、
俺は抗う術も抗う気力もなく押し流されて
泥のように眠りに落ちた。

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2009年8月15日 (土)

屋久島紀行6

【縄文杉登山:急】

まるで念仏のように「元を取らねば。元を取らねば。」と
自分に言い聞かせ、一歩一歩山道を登っていく。

縄文杉までは、あと一息だという。
登山道を少し外れ、開けた場所で昼食を摂る。

昼食は、旅館で用意してもらった仕出しの弁当。

登山用だからか、全体的に味付けが塩辛く、
冷めてボソボソしていて美味しくない。

エコガイドさんがお湯を沸かして作ってくれた、
インスタントの味噌汁が何だか異常に美味しく感じた。

***
美味しいといえば、水が美味しかった。

登山道の脇に何箇所か、湧き水が汲める給水スポットがあり、
そこでペットボトルに水を補給して飲んだ。

キラキラと透き通り、冷たくサラサラしていて、
するすると喉を流れ落ちて潤していく。

美味しい上に、無料だ。
何て素晴らしいんだろう、と思った。

極限状態で炙り出される、俺の金銭への執着。

***
登山開始から、かれこれ6時間は経過しただろうか。

前方が何やら騒がしい。
人だかりが出来ているようだ。

山道の先に、木で組まれた櫓のような建造物に続く階段が
突然出現し、喧騒は櫓の上のデッキから聞こえてくるようであった。

いよいよ縄文杉との対面である。

Dsc01169 
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・・・見上げても見上げても、どこが先端なのか分からない。

陽射しを掌で避けつつ、ぽかーんと口を開け眺める。
これを見るためだけに、6時間も歩いたのだ。

・・・。

・・・・・・。

本当のことを言うと「そこまでして見るものでもないかな」と思った。

第一印象が「FFVのボス、エクスデスみたい」であったのもあるが、
最大の原因は、縄文杉のスケールがよく伝わってこないからだと思う。

デッキから縄文杉までは、10メートルから15メートルくらい離れており、縄文杉の周囲はきれいに伐採され、整備されている。

比較対象がないので、幹回り16.4メートルという幹の太さも感じられず、写真で見るのと大差ないという印象しか残らなかった。

誤解を恐れずに言い放つなら、
「日本三大がっかり名所」にラインナップしてもいいと思う。

***
Dsc01170

デッキの下にソーラーパネルがあった。

エコガイドさんに聞いたところ、
照明に使う電気を発電するために持ってきたが、
雨が多くて日照が少ないのであまり使えず、
仕方なく別の発電機を下から運んできたのだという。

そういう本末転倒な話、大好き。

090815

縄文杉を見ても吹き飛ばなかった疲れが、
そのエピソードを聞いた途端に一気に吹き飛んだ。

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2009年8月 2日 (日)

屋久島紀行5

【縄文杉登山:破】

屋久島は「ひと月に35日雨が降る」と言われるほど
雨が多い島だと聞くが、
幸いにも滞在中はずっと好天に恵まれ、
縄文杉登山の日も抜けるような晴天であった。

エコガイドさんの話によれば
縄文杉登山中に雨に降られると
その叩きつけるような雨粒の勢いは
背中が痛くなるほどであり、息もできなくなるそうだ。

レインウェアを着ていても、雨水が内側に染み込み、
全身ぐっしょりズブ濡れ。

足元の山道は流れる雨水で滝のようになり、
場合によっては登山を中止することもあるのだという。

・・・今後、間違っても登山を趣味にすることだけはないな。と思った。

***
流石に自然を売り物にするだけあって、
登山道の両脇はこれでもかという大自然である。

最初のうちは、すげーすげーと写真を撮ったりしていたが、

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そのうち大自然にも飽きた。

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***
後半の山道に突入。

行けども行けども険しい山道。
登山とは、己と向き合う「心の旅」だという。

登山中、何を考えていたかといえば、

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・・・結局、そこか。

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2009年8月 1日 (土)

屋久島紀行4

【縄文杉登山:序】

午後11時頃に布団には入ったものの、
なかなか寝付けない。

目がさえてしまい、寝返りばかり打ち続けるうちに
気が付けば午前3時になっていた。
ノソノソと布団から抜け出し、登山用の服装に着替える。

ドアを開けると、当然のごとく真夜中の空気。
まるで時間が止まったかのように静まり返った旅館のロビーで、
ぽつねんとエコガイドさんを待つ。

予定の時間に少し遅れて、エコガイドさんが到着。
エコガイドさんの運転する車に乗り込み、
縄文杉登山の出発地点、荒川登山口に向かう。

宿泊していた宮之浦から荒川登山口までは、
だいたい1時間ほどかかるのだという。

島をぐるりと1周する外周道路はとっぷりと闇に沈み、
ヘッドライトが照らす範囲だけが冷たく浮かび上がる。

外周道路から登山口へ伸びる道に入ると、
道路は途端にぐねぐねとした細道に変わった。

ヘッドライトが照らす範囲しか見えず、
おまけに山道特有のカーブが続く。
あまり寝ていないこともあり、少し車に酔った。

そんなこんなで、主に体調面の不安を増しつつ
荒川登山口に到着。

車内で、旅館で用意してもらった朝食用の弁当を食べる。

普段から朝食をガッツリ食べない上に車に酔って気分が優れず、
少し無理をして腹に入れはしたが、
正直なところ仕出しの弁当はそれほど美味しくもなく、
おかずを少し残した。

行動食に余裕があれば、朝食はバナナとかカロリーメイトに
温かいココアとか、その程度でいいと思う。

朝5時を過ぎると朝日が昇り、周囲が明るくなってきた。
いよいよ登山開始である。

縄文杉までの道のりは、大きく2つに分けることができる。
前半のトロッコ軌道(約3時間)と、後半の山道(約2時間)である。

■トロッコ軌道
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枕木の上はやや歩きにくいが、
インディ・ジョーンズかスタンド・バイ・ミーのような気分。

■山道(大株歩道)
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写真では分かりにくいが、かなりの傾斜。
川口浩探検隊な気分。

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2009年7月27日 (月)

屋久島紀行3

【縄文杉登山:準備編】

筋金入りのインドア派なので、
縄文杉登山に際しては事前にエコガイドのツアーに申し込んでおいた。

登山のペース管理をしてもらいつつ、
道中は屋久島の自然についての説明を受けるのだ。

ガイド料はだいたい1万5千円くらい。

申込時に用意するよう言われたものは、
・トレッキングシューズ
・レインウェア(登山用)
・長袖シャツ
・チョコレートなどの間食
・スポーツ飲料(500mlペットくらい)
・大き目のザック

チョコレートとか、いかにも登山っぽい。

食べやすいしジッパーが付いているから便利だろうと思って

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これを買ったのだが、冷静に考えると
このチョコレートはコンクリートジャングル向けのような気もする。

レインウェアは、半端な装備では全く役に立たないと
言われたので、屋久島観光協会でレンタル。

トレッキングシューズは名古屋で買って、
何度か履いて足に慣らしてきた。

登山中に雨に降られると、財布や携帯電話、デジカメが
ビショビショになると言われたので、ジップロックを用意。

準備万端である。
インドア派は、己の体力に全く信頼をおいていないので
こういう場合には入手した情報を元に入念に準備をするものなのだ。

転ばぬ先の杖。
何故、こうしたリスクヘッジが普段の仕事に活かされないのか。

・・・まあ、いい。話が逸れた。

***
宿にチェックイン後、エコガイドに連絡を入れて
翌日の打合せをする。

集合は翌朝3時半、とのこと。
・・・下手すると、その時間帯って普段就寝する時間なのだが。

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2009年7月26日 (日)

屋久島紀行2

鹿児島空港を飛び立ったプロペラ機が水平飛行に入ると、
眼下は一面の海。

やがて前方に、深い緑色のこんもりとした山のような
島が見えてくる。

機体はゆっくりと旋回しながら高度を落とし、
その深緑の島の外周に、申し訳程度に作られた空港に
すっと吸い込まれるように着陸した。

ついに屋久島上陸である。

***
屋久島で見つけた素敵なオブジェクト。

Dsc01212
言いたいことは分からんでもないが、「超自然」だとオカルトの島になってしまうのでは。

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瞳孔が開きっぱなし。夜中に見たら相当怖いと思う。

Dsc01147
80年代っぽい絵柄。

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2009年7月20日 (月)

屋久島紀行1

欧米人は「ナポリを見て死ね」みたいなことを言うようだが、
日本人としては、死ぬまでに見ておくべきは
ナポリよりも断然屋久島だろう、と何となく思っていた。

学生時代から、いつかは行ってみたい場所として
温め続けていた場所、屋久島。

「人生観を変えてしまう」とまで言われる大自然。
三十数年に渡るエゴと、エコのせめぎ合いの旅となるのだろうか。

もし心洗われて「きれいなジャイアン」みたいになってしまったら、
それは即ちアイデンティティの崩壊である。

自分探しどころか、自分を見失いかねない危険を感じつつ、
出発の日を迎える。

***
名古屋から屋久島までは、
中部国際空港から鹿児島空港を経由して屋久島空港、という
経路をたどる。

中部国際空港~鹿児島空港は約1時間、
鹿児島空港~屋久島空港は約30分のフライト。

総飛行時間は案外短い。

中部国際空港を離陸して、
ウトウト眠って、起きたら着陸態勢に入っていた。

あっという間に鹿児島上陸。

乗り継ぎの待ち時間が1時間半ほどあったので、
暫し鹿児島空港内を散策する。

***
空港内レストランで見かけた大食いメニュー。

Dsc01144

「総重量2.3kg 1980円」
「20分以内に完食の方は無料」

何故、空港にチャレンジメニューがあるのか分からないが、
「さすが九州男児。」と妙な納得をする。

***
出発ゲートにあった畳の縁台。

Dsc01146

空港が、いきなり気さくな感じに。当然、寝転がる。

これ、ひとつ部屋に欲しい。
ニトリあたりで安く取り扱ってくれないものか。

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